ブロックサイズ戦争勃発

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ビットコインに用いられるブロックチェーンという技術。
このブロックチェーンにおけるブロックとはマイナーによる承認作業を経て正当性が認められた取引記録の塊です。
ビットコインにおけるブロック、実は容量の上限が1MBと決まられており、この容量の上限を越える取引記録は次以降のブロックに持ち越しになってしまうのです。

取引記録がブロックに格納されるタイミングが遅れるということはすなわち、送金の完了が遅くなるということなのです。

ビットコインに注目が集まる今、ビットコインネットワークの参加者は非常に増えており、取引も盛んに行われています。
その結果、1ブロックに収まりきらない取引が増え、大幅な遅延が発生が起こりうるのです。

その問題を解決するために、ブロックサイズの引き上げをするべきという声が上がっているのです。

ブロックサイズを上げたらいいんじゃないの?

ビットコインのブロックはマイナーの承認を経て、ブロックの束の先頭に追加されるまでに最低でも10分かかります。
つまり、ブロックとは約10分ごとの取引記録をまとめたものになるのです。
その都合、ビットコインの取引は1秒間に7件までしか行うことができません。10分では4200件、1日では約60万件が上限ということになるのです。
上限を越える取引記録はマイナーの承認作業の順番待ちをせざるをえないのです。

ビットコインの取引が増えたことで、1ブロックに入りきらない取引が増えていき、遅延が発生するという問題を解決するもっとも簡単な方法はブロックサイズを引き上げることです。

しかしながら、そのブロックサイズを引き上げることがそう簡単には出来ないのです。

その理由は「中央管理者が存在しない」からです。

法定通貨であれば、例えば日本銀行が「来年から3,000円札を発行します」ということを言い出したとしたら、「そんな半端なお札はいらない!」と思っていたとしても、円を使う以上は従わざるを得ません。
しかし、ビットコインブロックチェーン技術によって分散型という仕組みで成り立っているため、日本銀行のような中央管理者の鶴の一声がありません。 ビットコインネットワークに参加する人たちの合意を得ることが容易ではないため、ブロックサイズを臨機応変に変えるということが出来ないのです。

ブロックサイズを上げるということは、それまでのブロックとの互換性がなくなるということでもあります。
それが原因で重大なバグが発生する可能性もありますし、何よりマイナーの承認作業にかかるコストが大きくなります。
マイニングが困難になるということはすなわち、一部の強大なマイナーがより有利になるということであり、現状よりもさらにビットコイン保有量の偏りを生む要因となり得ます。

つまり、ブロックサイズを引き上げることで利益がある人と、そうでない人がいるのです。
そのため、ブロックサイズを引き上げるかどうかの是非について、まるで宗教戦争のようにビットコインネットワークの主要なマイナー同士で対立が起きているのです。

ハードフォークという道

現状のビットコインのブロックサイズをはじめとした諸々の仕組みに対して「こうであればいいのに」という声が高まると、ビットコイン「ハードフォーク」、つまり分岐、もしくは分裂します。
分裂とはすなわち、それまでのビットコインとの互換性を完全に断ち切るということです。
ハードフォークは、先述のように、主要なマイナー同士が自己利益を求めた結果起こります。

たとえば、ビットコインSegwitという仕組みを導入すれば、取引の正当性を担保する上で最低限必要な情報だけを抜き出してブロックにまとめることが出来るようになります。
こうすることで、ブロックサイズを上げるのではなく、ブロックに入れるデータ容量を下げることで1ブロックに取引が入りきらず溢れてしまう問題を解決しようという流れがありました。
しかし、マイナー最大手であるビットメイン社などが「それをされては自社のマイニング専用マシンが使えなくなってしまう!」という理由から、Segwitの導入に猛反発したため、ビットコインを分岐させました。
そうして2017年の8月に生まれたのが新たな仮想通貨ビットコイン・キャッシュ」なのです。このビットコイン・キャッシュはビットコインの名を冠してはいますが、それまでのビットコインとは完全に互換性がなくなりました。
このビットコイン・キャッシュはSegwitの機能は持たずに、ブロックサイズを8MBに拡大することでブロックサイズ問題を解決出来るようにしています。

このように、ビットコインは仮想通貨の原点ですが、現在では度々分岐をすることで、ビットコイン潜在的なデメリットを解消したり、特定のマイナーが有利になるような形で新しい仮想通貨を生み出しているのです。


ブロックサイズについてでした。
なるべくわかりやすいように努めているのですが、そう簡単じゃないですね...。 もうちょっと専門用語を控えて説明できるように私自身勉強しますね。

では、また。